アートフェア東京2016年
HIYOSHIDO ブースへお越しいただいた皆さま、ありがとうございます。
籔内佐斗司ワールドいかがでしたでしょうか。
展示にお越しいただけなかった方のために、レポートを掲載させていただきます。
今回の展示では、今年に入ってから制作された籔内佐斗司の新作木彫作品が初めてお披露目されました。新作のコレクションは、「神代の伝へ」シリーズが3点(赤いいやりんぐ、青いいやりんぐ、稲荷神の遣ひ)、そして「ひめがみのかいな」の2点一組の合計4点です。
籔内佐斗司の木彫作品についてあまりご存じない方の為に簡単に説明させていただきますと、こちらの作品はすべてヒノキの木を削って出来上がっている木彫の彫刻作品です。檜の木は伐採してから約200年はその強度を増し、その後1000年以上強さを保つと言われています。籔内佐斗司の木彫作品は、寄木造りと呼ばれるそれぞれのパーツを組み立てて完成させています。出来上がった木に漆を塗り、その上から日本画で使用される岩絵の具で彩色しています。説明が長くなりましてすみません。簡単に言うとすべての作品は基本的には、木、漆、岩絵の具といった自然素材のみを用いて、制作されています。
たくさんの方に、新しい作品はだいぶ方向が変わったね、というお声をいただきました。しかし、籔内佐斗司は彫刻家として、初期の頃はからだをテーマにした作品を数多く制作しています。今回のいやりんぐシリーズの作品などは、1980年代に制作されている作品の続編となっています。もちろん、多くの皆様にご承知いただいている「童子」作品の展示も行いました。
籔内佐斗司木彫コレクションの中でも大変人気のある「守銭童子」や「酒仙童子」、そして2016年の干支作品「金雲 斉天大聖」を今回のアートフェアでは展示させていただきました。
そして、一際人々の目を引いたこちらの作品は、「ありがとう地蔵」です。
岩手県陸前高田にお住まいの村上製材所の村上社長をモデルに制作されたこちらの作品は、今回特別に販売を行わない条件で展示させていただきました。村上社長も陸前高田から駆けつけて頂き、その出来上がりに「みんなに地蔵さまを見られるもんだから、汗かいちゃった。」とまるでご自身が大勢の人の前にさらされたかのように、恥ずかしがっていらっしゃいました。ありがとう地蔵が村上さんのご自宅に飾られたら是非またブログにさせていただきたいと思っております。村上社長ありがとうございます。
まるで、木彫とは思えないその質感に見ていく方々は本当にびっくりされておりました。
今回のアートフェアで展示されたこれらの作品は、Y'S ギャラリーさまにて5月20日から1ヶ月程度展示される予定です。今回のアートフェアにご来場できなかった方々も、ご興味ありましたら、Y'Sギャラリーまで足を運んでいただけますと幸いです。
その他、まだまだfacebookにて情報発信させていただきますので、
皆さま引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
最後になりますが、籔内佐斗司から以下のお礼文をいただいております。
みなさま、今後とも籔内佐斗司をよろしくお願いいたします。
展示期間:5月20日〜(約1ヶ月間)
【アートフェアの御礼とこれからのこと】
アートフェア東京の「YABUUCHI Satoshi」ブースへお越しいただいたみなさまに、こころより御礼を申し上げます。おかげさまで、確かな手応えを感じながら 無事終了することができました。
しかし、「童子(どうじ)」ではない今回の作品に、多くのご来場者がびっくりされたことに、逆に私が面食らいました。世間では、彫刻家としての私を「童子(どうじ)」の作家だと見做されていることを改めて実感しました。
しかし、三十代のころは、「肉体はいのちが纏(まと)っている鎧だ」というコンセプトのもとに、内側がからっぽの人体や面、動物などをたくさん造っていたのです。このシリーズの代表作は、刈谷市美術館や徳島県立近代美術館などに収蔵されています。
今年のアートフェアでは、ひさしぶりにこのシリーズに、今の私の感性と技能で挑戦しました。作品を造っていると、この四半世紀のあいだ、無意識のうちに押さえていたものが解き放たれたように、とても楽しくわくわくしながら制作している自分に気づきました。
この二十年ほどのあいだに、「童子」の作家とともに、「仏像の修復家」「仏像案内人」という肩書きの方も有名になり、また近年は「せんとくんの生みの親」として知れ渡って、いささか忸怩たる思いでいたのは事実です。そして昨年、新しいことに挑戦しようと考えていた私が、活力に溢れた高崎さんと出会い意気投合したことは、彫刻家・籔内佐斗司にとってすばらしいご縁だったと思っています。若い高崎さんも、いろんなことに挑もうとしていて、新しい道を歩んでいくひととして得がたい存在です。
彼は、港区芝にY'sギャラリーを開廊しています。私の創作活動の発信拠点として、ウエブサイト「籔内佐斗司の世界」、フェイスブックとともに、みなさまに大いにご利用頂けることを願っています。
ありがとうございました。
2016年5月 籔内佐斗司
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